M42は如何でしょうか。

M42マウントレンズを中心に、バイクや機械式時計とともに遊んでいきます。

タグ:Takumar

ここ数回、Quattro H の試写をしましたが、デバイスによっては、なんじゃこりゃ、と、露光が暗すぎるFOVEON の特性が出ちゃいまして、頭に来てます。

ならよ、+露光ビンビンでやってやっからよ!

今回は、第426話で紹介した、ASAHI OPT.CO. Super-Multi-Coated TAKUMAR/6✕7 2.8/150 を用います。
室内で、150mm は大変ですが、何とか撮影できました。

DSCF6003

DSCF6002

DSCF6001


撮影データは、ISO 160 開放 1/80 ±0.0EV です。
あれっ、±0.0EV ・・・ファインダー越しに、これで十分に見えちゃったものですから。

最初は、カラーモードをSTD で。

SDQH0001

まぁ、普通だな。

次に、ニュートラルです。

SDQH0002

これはねぇ。
やはり、フジのフィルムシュミレーションでいうところの「PRO Neg.STD」のように、ちょびっと、枯れてます。
渋い色出しをしたいとき専門ですな。

次に、風景です。

SDQH0003

これはねぇ、やはり、彩度が高いです。
フィルムシュミレーションでいうところの「Velvia」チックですが、Velvia ほどキツクないですが、まぁ、余程でないとつかわないかな。。。
Velvia は、Velvia で使いますので、多用しても良さそうなカンジですがね。

今度は、ホワイトバランスをAWB から太陽光にしました。
最初は、カラーモードをSTD で。

SDQH0004

色調は、変わりませんな。
ちょっと、温かいカンジになったかな。。。

次に、ニュートラルです。

SDQH0005

STD とニュートラルの差は、そのままです。

次に、風景です。

SDQH0006

やっぱねぇ、フィルムシュミレーションより使いにくいカンジですね。。。





平成最後の起稿として、去る4月30日でしたか、Xenotar 型として取り上げました、 Asahi Opt.Co Takumar 2.2/55 M42 です。

単に「Takumar」ですから、本当に古いレンズでして、1950年代の製造ですね。。。

DSCF2141

DSCF2142


ISO 200 開放 1/1500 +1.0EV です。

DSCF2114

軽いフレアを伴って、どの花もキラキラですね。
オールドレンズらしい写りです。
現代のレンズでは撮れない写り方ですね。
ある意味、イイ絵です。

ピン処の解像もまずまず。。。
Xenotar 型の特徴である、「四隅までしっかり」については、「四隅の少し手前の対角線上」までは、しっかりですね。
鷲の目Tessar との比較では、あくまで、自分の記憶からですがね、Tessar の方がキリッと描写をすると思います。
上質な写り方は、勿論、Xenotar 型ですが。

ISO 200 絞り5.6 1/300 +1.0EV です。

DSCF2116

レンズをホンの少し振っただけで、このフレア!
もう紫陽花の花から、ライト照射しているかのようです。
絞ると、フレア解消ですよね。
フードは、付けていません。

ISO 200 絞り5.6 1/120 +2.0EV です。

DSCF2117

+1.0EV でも、ギリギリでフレア掛かっているのに、無謀にも倍付けの設定です。
「キレイだね」なんて、お世辞にも言えませんが、強烈な主張をレンズが捉えていると思います。
被写界深度は、十分深いです。
自分好みのイイレンズです。

額に入れるなら、もっと、マジメに撮影しないといけませんが、ブログなんで。
自分の思い出なんですよ。
時間を止めて。









第416話で、「黃タクマーとは」と、お茶飲み話をしましたが、実際、絞り値2.0 の「先」がありますので、実際に検証してみましょう。

DSCF0120

これが、絞り値2.0 の状態。
レンズ奥に「三日月型」にちょっとだけ絞り羽が顔を出しています。
左側、四角い反射の直ぐ上ですね。

DSCF0116

絞り値2.0 のときは、絞りリングの値は2.0 です。当たり前ですけど。。。

DSCF0117

わかりますか?
今、絞りリングは2.0 を越え、不思議な位置まで回っています。
すると。。。

DSCF0121

ちょびっと顔を出していた絞り羽が完全に隠れてしまいました。
でも、1.8/55 のレンズより、入射できる口径が小さいので、正式な1.8 は出ないんでしょうけど、2.0 よりは明るいところまでいきますね、このカンジじゃ。。。

ISO 100 絞り2.0 1/125 ±0.0EV です。

IMGP0268-2.0

全くね。
Auto-Takumar とそっくりですね。

じゃ、行きますか。
禁断の2.0 より明るいX 値です。
ISO 100 全開 1/200 ±0.0EV です。

IMGP0269-全開

ありゃ!
制限された絞り値より、全開の方がイイじゃないですかっ。
やはり、閉じ込められると誰しも嫌になっちゃいますよねぇ。。。
絞り2.0 1/125 ±0.0EV と、全開 1/200 ±0.0EV で、シャッタースピードに1/80 ありますが、やはり、一段分ありますかね。
と、いうことは、このレンズは、2.0/55 でなく、実質、1.8/55 である、と、言えましょう。凄い発見だ!・・・え"っ、知ってたって?

ドンドン行きましょう。
ISO 100 全開 1/125 +0.3EV です。

IMGP0272+0.3EV

これくらいの露光ですよね。
好きだわ。この雰囲気。。。

ISO 100 絞り5.6 1/8 -0.3EV です。

IMGP0274-5.6

-0.3EV でも、まだ明るい。
PENTAX は、本当に絞り込んだ時の露光が難しい。。。

最後に色温度を変えてみましょう
4000K ですね。
ISO 100 絞り5.6 1/6 -0.3EV です。

IMGP0277-4000K-5.6

やはり、4000K って、変な色ですよね。
軽い青にはなっているんですけど、蛍光灯下で撮影しているかのような色になってますね。









第418話で紹介した、Asahi Opt.Co. Takumar 3.5/135 No.380364 M42 ですね。
Piesker Picon が撃沈でしたからね。
Made in japan たる、Takumar レンズならなんとかしてくれるでしょう。

DSCF0110

DSCF0108

このレンズも、とても状態の良いものです。

先ずは、X-T1 。フィルムシュミレーションは、PROVIA です。
ISO 200 開放 1/42 ±0.0EV です。

DSCF0082-PROVIA開

あれっ。
こんな解像度なんですね。
第427話でバッキバキの解像を見ちゃっているものだから、アレと同等じゃないと納得できなくなっちゃいましたね。

ISO 200 絞り5.6 1/18 ±0.0EV です。

DSCF0083-PROVIA-5.6

まぁ、解像度は上がりましたが、こんな程度じゃね。。。

次に、フィルムシュミレーションは、Velvia 。
ISO 200 開放 1/42 ±0.0EV です。

DSCF0080-Velvia開

Velvia らしい色乗りが表現できました。
このシュミレーションの方が解像度高く見えますね。

ISO 200 絞り5.6 1/18 ±0.0EV です。

DSCF0081-Velvia-5.6

やはり、Takumar の方が、D-FA より「本来の旭光学」たる色乗りである気がします。
多分、SMC までのPENTAX レンズと、今のPENTAX レンズでは、色乗りに差がある気がしますね。
この色乗り、青を中心にとてもイイ色乗りだと思います。

今度は、カメラをK-3 にしてみましょう。
ISO 200 開放 1/125 -0.7EV です。

IMGP0250-K3開

「青」は、濃くなりますねぇ。。。
どうも、暗い気がします。

ISO 200 絞り5.6 1/30 -0.7EV です。

IMGP0251-K3-5.6

解像度は上がりましたが、これも「ちーん」ですな。
試写では、結構キレキレだったんですが、どうしたことなんですかね。
残念。。。





今回も、Takumar 。
Takumar ですが、SN/ 380364 です。
前話で、Auto Takumar は、~265xxx~349410~でしたので、Auto Takumar が堂々と発売されている頃に、「Takumar の135mm」が、あとから作られていたことになりますね。
こりゃ、どうしたこと?
Auto Takumar の初期バージョンは、外注っぽいですからね。
内製・焦点距離による割り振りも考えられますが、このレンズは、内製っぽいですね。
Auto Takumar の方が、外注っぽい。



DSCF8038

第412話で紹介した、ASAHI OPT.CO. Super-Multi-Coated TAKUMAR/6✕7 2.8/150 とも通じるコーティングです。

DSCF8039

筐体は、こんなカンジ。。。
プリセットの絞りが素敵。。。
あまり使用していなかったようですね。傷もありません。

DSCF8043

DSCF8044

レンズ自体にも、カビ・曇り・スクラッチなど問題は何もありません。
近年のSMC Takumar なんぞを購入するより、よほどリスクがありませんね。
造りもしっかりしているのと、当時、高価だったので、大切に保管されてきた証でしょう。

試写を。
X-T1 で、フィルムシュミレーションは、PROVIA です。

ISO 800 開放 1/120 +0.7EV です。

DSCF8041

開放でも、シングルコートでも、凄いですね。
カチカチだぁぁぁ。
色乗りもしっかりです。

ISO 800 絞り5.6 1/120 +0.7EV です。

DSCF8042

開放で、f=3.5 なんで、5.6まで絞ってもあまり変わりがないですね。
反って、開放の方が色乗りよし、かと。。。

これほど、キリキリ写すということは、Tessar 型?

Takumar 3.5/135 のレンズ構成は、こんなカンジです。

Takumar 3.5-135 Tele Photo

私には、Tessar 型の1枚プラスか?とも思えますので、確認を。。。

Tessar

Tessar は、3群4枚。
第3群が張り合わせですね。
最終群は、似ていますが、その前のレンズが、Tessar では大夫強い凹レンズですが、Takumar では、厚みのある凹レンズとなっていますね。
基本的に、Takumar は、4群5枚。
Tessar は、3群4枚で、大夫、差があるように思いますが、Takumar は1枚追加してフォーカスを調整し、第3群の厚みある凹レンズで、中央部の解像度アップや色収差補正をしているものと思います。
結像の概念は、Tessar が根底にあるものと思います。


海外の解説には、こんなものがありました。
A very fine 5-elements design higher effort than common in that focal length at that time. Pentax kept this layout in telephoto designs until recent years.
The same design like all its predecessors from 1952 on. All Pentax short telephoto lenses until 1967 are derived from this initial design. 

和訳すると、
非常に素敵な5枚のレンズは、その焦点距離で一般的なよりも高い努力をした設計をしています。 ペンタックスは、近年まで望遠レンズのデザインで、このテレフォト型レイアウトを維持しました。
1952年から、全て前モデルと同じようなレンズデザイン。 1967年までのペンタックスの短望遠レンズは全て、この初期設計から派生したものです。

・・・1967年というと、Super Takumar の時代まで、だそうです。とても、シャープな写りとも、このレポートは指摘しています。

・・・なんで、1967年なんだ?
既に、Super-Multi-Coated Takumar の開発に目処が付いていて、レンズの設計を変更し、内緒で市販に供していたからかな。でないと、レンズの設計変更しないでしょ。

1961年
Super Takumar 誕生
  ~624716(黃)~671xxx~852xxx~955043(1.8/55)~1165564(8枚玉)~2475101(黃)~380xxxx~470xxxx

1971年
Super-Multi-Coated Takumar 誕生
442xxxx472xxxx476xxxx

この、Super Takumar の赤字域と
Super-Multi-Coated Takumar の青字域が1967年、と、いうことですかね。



第29話までに2回ほど紹介しました、Super-Multi-Coated TAKUMAR/6×7  3.5/55 に続く、2本目の6✕7用レンズですね。
第403話の、ASAHI OPT.CO Super-Multi-Coated TAKUMAR 4.0/150 M42 の写りを見てましたらね、どうも、第402話のAsahi Opt.Co. Super-Takumar 2.8/105 M42 より写りが攻撃的、かつ、まろやかだなぁ・・・なんて思ってましてね、Takumar の150mmは、なかなかいいんじゃないかと・・・
そうしましたらね、フト・・・
あれっ、6✕7の150mmって、f=2.8 で「大口径」じゃん。
て、ことは、Bokeh 味もM42版より期待できるんじゃないかと。。。

DSCF6019

Super-Multi-Coated TAKUMAR/6×7 用のレンズらしくない、ブルー系のコーティングですね。

DSCF6018

筐体・レンズとも、全く問題ありません。
Super-Multi-Coated TAKUMAR/6×7  3.5/55 を購入した時は、後群にカビがありましてね、後ろから攻めて一件落着。以後、全く問題なし、のコンディションですが。このレンズは、更に快調です。

DSCF6020

6✕7 は、こんな専用フィルターてないといけません。が、付属品で付いてきてラッキーでした。

DSCF8001

おおっ。
当時物の純正レンズキャップも付属品で付いてきましたね。
このレンズキャップが、レンズ本体のコンディションを証明しているとも言えます。

DSCF6021

Super-Multi-Coated TAKUMAR/6×7  3.5/55 と比較しますと、ナント!
55mm の方が、バカでかいじゃないですかっ。
普通、望遠の方がでかいですよねぇ。。。
3.5/55mm は、直径100mm ですからね。
旭光学工業の「本気」が感じられます。
まぁ、3.5/55mm は、マウントアダプターも付いてますがね。両方とも、でかいっちゃ、でかいです。

Takumar 4.0-150 5群5枚

このレンズ構成図は、ASAHI OPT.CO Super-Multi-Coated TAKUMAR 4.0/150 M42 のものですが、6✕7の2.8/150mm の構成図は見当たりませんでした。
同じ、5群5枚なのは判っているんですがね。
5群5枚ということは、張り合わせはなし、ってことですが、このレンズ構成図と同じだとf=2.8 の明るさに到達しないような気がしますね。
テレフォト型、と言うみたいです。

K-3 に取り付けて試写をしてみましょう。
2013年11月でしたかね。発売日。
古いカメラですが、ホレ!
シケには、強いんですよ。
シャッタースピードは現役最高機種と同じ。映像素子も2435万画素。2スロット完備。AF露光範囲は、-3EVから。連写は、8.3コマ/秒。
・・・なにか、御不満でも?

ISO 400 開放 1/50 +0.7EV です。
WB は、「マニュアルWB」。ブルーとマゼンタ方向に振ってあります。

IMGP0218

カメラのモニターで映像チェックしたのと、圧縮してブログにアップした絵と色味が違うんですよね。
モニター上では、もっと赤く、鮮やかな色味でした。
パソコンが悪いのかな。。。

でも、流石、6✕7のTAKUMAR ですね。良い絵だと思います。

今度は、WB を「マルチパターンオートWB」にしてみます。
ISO 400 開放 1/50 +0.7EV です。

IMGP0219

ちょっぴり、背景が白いですかね。
流石、AUTO 設定です。
さくらんぼの赤みは、マニュアルWB の方がイイかな。。。

外での実写が楽しみなレンズが、また、1本、我が家なやってきました。



第405話で、Xenotar 型のASAHI OPT.CO SMC PENTAX-M 2.0/50 PK を紹介しましたが、今回のTakumar 2.2/55 は、Auto- でも、Super- でもありません。
「元祖」「本家」のTakumar です。それも、しつこいことに「Xenotar 型」です。


DSCF6001


シリアルナンバーは、「160153」。最初期型、と、言っても良いでしょう。
国内のHP では、1957年以降の廉価版のPENTAX に搭載されたレンズか・・・のような紹介ですが、海外のHP を見ていると、当初時点において3種類の標準的なレンズがあったか・・・かのように紹介されています。

旭光学のこの時期を追ってみますと、
1952年 ASAHI FLEX に3群4枚のTESSAR型 3.5/50 を搭載
1954年 ASAHI FLEX に3群5枚のHELIAR型  2.4/58 を搭載
1957年 PENTAX(AP)に4群6枚のSonnar型    2.0/58 を搭載・・・ということになっています。

て、ことは、Takumar 2.2/55 ってなに?

海外では、Takumar の初期ロットは、シリアルナンバー131xxx~241xxxが1957.5~1959.5の間、製造された、と和訳できそうな下りがありました。

このレンズは、正に、161xxxであり、レンズ的には、日本では試作に終わったとされている「PENTAX  S」モデルが海外向けに輸出されていて、そのカメラに付いていたのが、このレンズだったのではないでしょうか。

日本では、1959年、いきなり「S2」からですがね。AP の廉価版として発売されましたが、海外では、1958年にPENTAX-S、1958-1959年にPENTAX-K (半自動絞り)を発売との記事もあります。

1959年からはAuto-Takumar が、1961年頃には、Super-Takumar シリーズがラインアップしてますんでね、その「前の時代」じゃないと整合しません。

何が何でも、1959年より前じゃないとこのレンズの説明は付きませんね。
国内では、「PENTAX SB」なる自衛隊共済組合向けのカメラが専売されており、これは、1959年からだそうな。この時期のレンズのシリアルナンバーは、241xxxの個体を確認しており、前述の海外の記録とも合致しますね。

すると、このブログの個体・シリアルナンバー161xxxは、1957年+1年以内ってんじゃないのかな。。。
4群6枚のSonnar型 2.0/58 との棲み分けも想定する必要はありますが。。。
因みに、第189話で紹介した、Asahi Opt.Co. Auto Takumar 2.0/55 M42 のシリアルナンバーは、「349410」。国内物で間違いなし。しっかりと、シリアルナンバーが時を刻んでますね。



Takumar 2.2-55 (2)

レンズ構成は、こんなカンジ。。。
5群5枚のXenotar 型です。

赤で塗ったレンズは、元祖Xenotar より分厚くて反りもなくて、これでXenotar 型?と不安を感じますが、皆さんが揃ってXenotar 型と指摘されてますんで、私も同調しようかと。
このレンズの厚さ次第で、描写の様子が変わるようですね。
ある意味、第2群・第3群の「貼り合わせ」⇔「1枚・1枚」も興味がありますが、このTopogon 系を引き継ぐキーとなるレンズの厚さも面白そう。。。


DSCF6002

背面は、こんなカンジ。。。

DSCF6003

マウントは、ねじ込み形のM42 規格ですが、まだ「絞り押しピン」もありません。

DSCF6004

絞りは、プリセット型ですね。
とても使いやすい、これでいいじゃん、という仕組みです。
この時代の後、「開放測光」をしたくて、アレコレ皆が悩んだワケですが。。。

DSCF6005

絞り羽も綺麗なモンです。

試写を。
今回は、X-T1で。
最初は、フィルムシュミレーションをPRO Neg.std で。
ISO 200 開放 1/20 +1.3EV です。

DSCF6006

Xenotar 型なので、「四隅までビシッ」と、ですかね。。。

今度は、標準的な、フィルムシュミレーションをPROVIA で。
ISO 200 開放 1/20 +1.3EV です。

DSCF6007

ISO 200 絞り5.6 1/4 +1.3EV です。

DSCF6008


ISO 200 絞り5.6 1/10 +0.3EV です。

DSCF6009

古くて、レンズにはスクラッチがめちゃ入っているのに、割とイイ写りですなぁ。。。
流石、Takumar だっ。






今回から、送り側の画像サイズとブログ受け側の画像サイズを揃えてみました。よりイイ画像を見ていただけるといいのですが。。。


久しぶりに、TAKUMARですね。
それも御先祖様。Auto Takumarですね。
このレンズ、またまた、私と「ほぼ」同じ年です。
1959年から1960年に製造されたものです。
あーーーっ、また、長い月日を過ごしてきちゃったなぁぁぁ。
59年、ですか。。。

DSCF8009

ねっ。
「ほぼ」60年前の国産レンズってどんなレベルだったんですかね。
何を目指していたのでしょう。
このブログでは、「ほぼ」戦後(外国では、World War 2なんて言ってます。略して、WW2 ですか。)から、ドイツの敗戦国たる「惨状」・・・戦後賠償という名の「かっぱらい」と「奴隷」。そこから生まれた「工業製品」を、できる範囲でお伝えしていますが、ご当地日本では、どのような技術・工夫・トレンドがあったのか、このレンズにその一端が垣間見れるとイイのですが。


このレンズの特徴は、なんと言っても、旭光学工業の「技術力の高さ」から説明しないといけないのかも知れません。
つまり、カメラ側からの説明。
このAuto Takumar ってのが、標準レンズでついていた頃っていうのは、1959年頃ですからね。
私が、生まれた頃。。。ひどく昔です。

アサヒペンタックスS2(1959年5月発売)は、アサヒペンタックスAPの普及機として発売されました。
企業努力によって、ケース付きで定価51,500円だったアサヒペンタックスKと比較して、ケース付きで定価35,000円と、Kに対して大幅な低価格化を実現して、戦後カメラ業界において、屈指のヒット商品とペンタックスS2はなりました。
なにせ、高嶺の花のカメラが1ヶ月分の給料分下がっちゃったわけですからね、今でいうと、20万円は下がったのに等しい。
このS2機がヒットした背景には、ファインダースクリーンが、従来までの、中央のマット面とフレネルレンズだけだったものと比較し、このS2機には、中央部にマイクロプリズムが採用され、マット面と使い分けることによってピント合わせがしやすくなった、なので、バカ売れした。ってカンジです。要は、皆、カメラを使う者はピントが合いたいんです。ハッキリ言って。
だから、AF機が全盛の今になっているワケ。そんなのに、未だ、マニュアルフォーカスを「常用」している輩がいるっていうのだから、世の中は、正に、不明です。。。
廉価機であるため、最高シャッター速度は1/500秒までですが、前面にあった低速側シャッターダイヤルを廃し、現在の標準仕様である低速・高速を統合した「1軸不回転式シャッターダイヤル」が採用された、等、操作性においてアサヒペンタックスKを大幅に上回ったため、後のモデルの基礎機として定着し、主力機・狙い処への性能に合わせてスペックアップが図られ、最終的には最高シャッター速度が1/1000秒にまで向上しながら、アサヒペンタックスS3以降の機種のオプションである外部連動式露出計『ペンタックスメーター』にも対応するようになったようですね。
まーっ、ペンタックスメーターなんぞと同類の補助機器は、私が物心がついて、CANON FT-bを購入した後でも、余裕で販売してましたね。夜、使うんです、星を撮るために必要でした。。。
私のFT-b には、露光装置が内蔵されていましたが、PENTAX S2には露光装置なんて言うものはなかったですね。でも、撮影はできた。どうしたか?
当時、フィルムの箱に参考となる露光調整値が書いてありました。
晴天の戸外・・・絞りf=8、シャッタースピード1/250とか。1/125だったっけかな。。。
フィルムは、ネオパンSS ASA100でしたか。ちょっと、カメラ小僧になると、TRI-X がイイなんて言ってましたかね。ASA60 だったかな?

こんな時代背景のレンズって、どんな~~。
先ずは、全景から。

DSCF8001

ちょっと、チープですかね。
一眼じゃなくて、コンデジに似合うカモです。
アップで見ると、こんなカンジ。

DSCF8006


被写界深度マークの左側に、何やら、工作物が。。。
この、レバーこそが、「Auto」Takumar 故の構造です。

DSCF8003


このレバーは、ボディサイドから見ると、11時から7時位まで、押し下げる操作をします。
すると、どうなるか?
実は、予め、f=5.6に設定するとします。そして、レバーを下げます。
すると、「絞り羽は開放」へと変化します。
開放状態で、ピント合わせができる、という構造なのです。すげぇ!明るい状態で、ピン合わせができるなんて! ➡ 画期的です! ➡ だから、バカ売れした。➡ 憧れのカメラだった。

開放になっちゃうとさ、どーやって絞り値まで持っていくワケさ?
答えは、コレ。

DSCF8008

画面は、天地逆ですが、1時方向に押しピンが見えると思います。
このピンをカメラ側が押すことによって、あーら、不思議。絞り優先の撮影が可能、つまり、「Auto」なワケです!
このような、「機械」によるAutoは、なぜか、ドイツ的ですね。。。

この、昭和34年~36年頃、朝鮮戦争も落ち着きを見せた頃の日本は、いい景気もあったでしょうが、工作精度も、しっかりしています。

DSCF8002

M42って、「スクリューマウント」っていいますが、ネジ込みの位置をカメラ側・レンズ側双方に気を配らないと、こうはなりません。
指標が真上に留まらなくて、行き過ぎたり行かなかったりしますね。
こうならないから、EXAマウントやスピゴット式マウントなど、別のマウントが一方で栄えたワケですね。

今日は、熱いなぁ。。。
まだ、撮影物が出てこない。。。
そろそろ、どーなの?

じゃ、行きますか?
ISO 200 開放 1/1500 ±0.0EVです。

IMGP9840-auto2.0

あ"っーーーっ、出ちゃいましたかっ。TAKUMARがっ。
どーしたら、イイのかな。これ、59年前のレンズですよ。ホント!!

ISO 200 絞り5.6 1/60 ±0.0EVです。

IMGP9843-auto5.6

ほーほーっ。
絞りの効果絶大ですね。
ならば、EV露光を変えて。

ISO 200 絞り5.6 1/125 -1.0EVです。

IMGP9844-auto5.6

これ、現実ですね。
露光を変えると、色味まで変わっちゃうんです。
ぜひ、皆さんもマイナスEVに挑戦してくださいね。カメラ任せにしないで。
この色、今の時期にあって、結構、「リアル」です。
この色味なら、TAKUMAR6✕7にも負けない気がしますね。K-20Dも、結構な色味です!

時期終わりの紫陽花の「赤味」を。
ISO 200 開放 1/3000 ±0.0EVです。

IMGP9845-auto2.0



いやっ、イイ色味ですねぇ。。。
安心のMade in japan です。すげっ。

ISO 200 絞り5.6 1/125 -0.5EVです。

IMGP9849-auto5.6

-0.5EV では、まだ明るいですね。
反省、反省。。。


ISO 200 開放 1/1500 ±0.0EVです。

IMGP9851-auto2.0

うっひゃぁー。やっぱ、濃いなぁTAKUMAR。
濃すぎず、絶妙な青味じゃないですかね、凄い。中心部の解像も良いと思います。
本当にキレイな青味で記録してくれました。凄い。

ISO 200 絞り5.6 1/60 -0.5EVです。

IMGP9855-auto5.6

おっけ。
文句なし。
この絵なら、なんで、ZK?ってカンジですね。高い金銭支払って。。。無駄だ!!
このレンズ、1500円だったかな。ドイツ製レンズとか、安いと言われているロシア製レンズでも、1500円は無いよなぁ。。。

ISO 200 開放 1/1000 +1.0EVです。

IMGP9858-auto2.0

もー、どうにかしてっ、って、カンジですね。TAKUMAR 暴走中です。
ホント、自然に撮れちゃうんですよ、この色味で。参ったなぁ。。。

ISO 200 絞り5.6 1/125 -1.0EVです。

IMGP9860-auto5.6

どうですか。TAKUMAR。
欲しくなりませんか?

ISO 200 開放 1/1500 ±0.0EVです。

IMGP9861-auto2.0


開放時、背景のBokehが凄いですねぇ。トロトロです。
ピン処は、ホントの一点ではなく、少し幅があるようです。

ISO 200 絞り5.6 1/180 -1.5EVです。

IMGP9864-auto5.6

これくらい絞っても、まだ、Bokehの範疇にありますね。
起稿のTessar のように、階調良くBokeh ていくようです。これは、銘LENSかっ?

ISO 200 開放 1/750 +1.0EVです。

IMGP9872-auto2.0

イイ色味ですね。
いままでの、レポートしたレンズの中でも、この色味・解像度は、なかなか無かった気がしますね。
「真ん中は、白いんです」と、何回申し上げたことか。。。

ISO 200 絞り5.6 1/90 -1.0EVです。

IMGP9871-auto5.6

すげぇな。
色味、最高にステキです。

ISO 200 開放 1/500 +1.0EVです。

IMGP9877-auto2.0


ピン処を変えてみました。

ISO 200 絞り5.6 1/90 -1.0EVです。

IMGP9876-auto5.6

狙い、見ていただけましたかね。
狙いってほどでもないんですけどね。

ISO 200 開放 1/500 +1.0EVです。

IMGP9882-auto2.0

やはり、背景のBokeh 具合が、絶妙ですね。
外国のレンズで、こんなカンジのレンズ、見たことないです。

ISO 200 絞り5.6 1/60 ±0.0EVです。

IMGP9883-auto5.6

被写界深度が深くなりましたが、それでも、絶妙なBokeh 具合かと、思います。
59年経っても、まだ、現役ができる、素晴らしいレンズです。

ちょっと、遊びで。
構図の「ムリ」を。。。
ISO 200 絞り5.6 1/45 +1.0EVです。

IMGP9878-auto5.6

頭は、飛んじゃっているし、それを撮りたいのだけが前に出ちゃっている。
でも、写真なんだよなぁ。。。
治まっている、と、思います。

ISO 200 開放 1/350 +0.5EVです。

IMGP9888-auto2.0

開放ですが、解像度はやはり高い。
開放じゃあ、無いみたいです。

ISO 200 絞り5.6 1/45 -1.0EVです。

IMGP9884-auto5.6

更に解像度アップですね。
今回の撮影では、ホントTAKUMAR、暴れています。凄い実力ですね。

最後に、黄色を。。。
ISO 200 開放 1/500 +1.0EVです。

IMGP9900-auto2.0

写真じゃなくて、絵画ですね。。。
言葉がない。。。

ISO 200 絞り5.6 1/60 -1.0EVです。

IMGP9901-auto5.6

おおっ、こりゃあ写真だ。
現物より、こっちの方がキレイなんじゃないかね。
アルミフェンス、もっとボロいぜ。

DSCF8010


このレンズに、ASAHI 純正のUV フィルターがついてきました。
遅くて、昭和35年当時ですかね。
昭和35年当時、皆、白黒フィルムを使用していました。カラーフィルムなんて無い。
一眼さえ、あるわけない、そんな時代です。

カラーフィルムなんては、昭和40年代になってからです。
なのに、この写り。凄いです。







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