2020年7月10日。
満を持して、数段前を行くカメラがCANONから発売された。
CANON EOS R5 。
キャノンオンラインショップでの価格は、税込 506,000円と高額だ。
しかし、オンラインショップへのアクセスがパンクするほどの人気ぶり。
もう一台、「NEW STANDARD.」を掲げ、EOS R6 も、8月27日から発売される。
購入前提で、本当に手放しで購入できる製品なのか、吟味してみたい。

前提となるのは、現行モデルのEOS R と何がどう違うのかピックアップしてみた。
1 イメージセンサー
 EOS R6 のイメージセンサーは、EOS-1D X Mark Ⅲのダウンスケールモデルだという。
 それじゃ、最高性能なんじゃないの?と思いがちだか、とあるリポートによると、EOS R の3030万画素以下の解像しかできなかったようだ。これはマズイな、ならばEOS R で良い。
 この現象は、良くありますよね。古いカメラを引っ張り出して撮影したところ、全然使えるじゃん!ってカンジ。
2 画像処理エンジン
 EOS R は、DIDIC 8 。EOS R5・R6 は、DIGIC X 。
 設計が全く異なり、これは圧勝だろう。
3 手振れ補正
 EOS R が売れなかったそもそもの原因。
 今どき、ボディ内手振れ補正のないミラーレスカメラなんて、ナンセンスだ。
 その意味では、今回のEOS R5・R6 の反響が大きいのは、当然のこと。
4 連写性能
 連写性能は、これは眉唾で、しっかりと見極めないと、結局、EOS R でも変わらないということになる。

 キャノン公式HP から。

★EOS R6 高速連続撮影時に最高速度で撮影するための条件
  2020年07月17日  文書番号:101700

 12コマ/秒の連続撮影(メカシャッター)が可能なEFレンズとは。
いろいろありますが、ハクチョウなどの野鳥・電車などの撮影を想定した前提で、代表的な所で、
EF600mm F4L IS III USM
EF200-400mm F4L IS USM エクステンダー 1.4x

★ このリストの中には、エクステンダー2.0xはない。=使えないということだ。

 連続撮影速度最高約 20コマ/秒(電子シャッター)が低下しにくいレンズとは。
RF24-240mm F4-6.3 IS USM
EF300mm F2.8L IS II USM + Extender EF2.0x III
EF300mm F4L IS USM + Extender EF1.4x III
EF300mm F4L IS USM + Extender EF2.0x III
EF400mm F4 DO IS II USM + Extender EF2.0x III
EF400mm F5.6L USM
EF400mm F5.6L USM + Extender EF1.4x III
EF400mm F5.6L USM + Extender EF2.0x III
EF500mm F4L IS II USM + Extender EF2.0x III
EF800mm F5.6L IS USM + Extender EF1.4x III
EF800mm F5.6L IS USM + Extender EF2.0x III

RF レンズでは、テレ側を代表するレンズではこの1本しかない。
これを見ていると、合成F値11.2までは、エクステンダーが使用でき、 20コマ/秒がほぼ確保されているようだ。
まっ、RF600mmやRF800mmを発売し、合成F値22.0でもAFが効く、ということの裏付けになりそうですね。
商品説明でも、「光束対応AF F22」を豪快に説明しているのも肯ける。どのメーカーも付いていけないブッチ切りの性能だ。

5 オートフォーカス
 EOS R6 は、「デュアルピクセルCMOS AF II」を搭載。EOS R の「デュアルピクセルCMOS AF」よりも一世代新しく、動物(犬・猫・鳥)の瞳AFを始め、広範囲・高い精度・高速・低照度対応など、別物だ。
 注意点として、「4 連写性能」中の青字以外のレンズは、横40%縦60%の範囲しかAFが効かなくなる。これは大ブレーキな事項だ。
 今回のセールスポイントであるF11の超望遠レンズは、全て該当する。=積極的に使えないレンズ・日の丸フレームでしか使えないレンズということ。
6 EVF について
 約369万ドットは変わらないものの、EVFフレームレートがEOS R6 では119.8fps、EOS R では59.9fpsと、2倍の差がある。
7 シャッター耐久回数
 EOS R6 では約30万回。EOS R では約20万回。
 EOS R って、満を持してリリースされたCANON ミラーレスカメラの一番機とは、全く思えない性能だ。
 CANON は、ミラーレス、ナメていたな。

纏めると、

1 オートフォーカスが、動物(犬・猫・鳥)の瞳AFを始め、飛躍的に向上したことは、歓迎。
2 ボディ内手振れ補正機構が搭載されたことは、歓迎。
3 画像処理エンジン・EVF・シャッター強度が正常進化したことは、歓迎。
4 EOS-1D X Mark Ⅲ譲りのセンサーとはいえ、EOS R 以下のセンサーは、所有欲を削ぐ。
5 連写・オートフォーカスに関連し、F11以上の暗い絞り値になると、AFは効くものの中央部しか使えないのでは、実質、使えないに同じ。幻滅した。
 カメラボディとレンズで7~80万は投入するには値しないだろう。昼間しか撮影しないよ、という方なら十分見返りはあると思うが。
6 おまけに、30万円もして、プラ外装とは何たること。いい加減にしてぇ。。。