M42は如何でしょうか。

M42マウントレンズを中心に、バイクや機械式時計とともに遊んでいきます。

カテゴリ: Pancolar

第344話で紹介した、Carl Zeiss Jena DDR Pancolar 1.8/50 M42 ゼブラ柄ですね。
Pabcolar は、Biotar の息子ですが、好きなレンズです。

DSCF1086

表紙は、PENTAX K-3 とともに、ですが、X-T1 で色々とイジってみましょうか。
先ずは、X-T1 AWB 、フィルムシュミレーションは、プロネガスタンダードです。
ISO 200 開放 1/1900 +0.7EV です。

DSCF1050-開

イイ色味です。
爽やか、という言葉がピッタリです。
Bokeh 味もとてもよろしい。

続いて、ISO 200 絞り8.0 1/220 +0.7EV です。

DSCF1051

イイ色味で、しっかりとした描写になりました。
桜を表現するなら、開放がおススメですね。

今度は、X-T1 AWB 、フィルムシュミレーションは、プロビアです。
ISO 200 開放 1/1800 +0.7EV です。

DSCF1052-開プロビア

プロネガスタンダードより、色味が濃くなりました。
これはこれで、桜色がよく出ている、「フジの色」ですね。
流石。

続いて、ISO 200 絞り8.0 1/210 +0.7EV です。

DSCF1053

どうしても、開放の絵を見てしまいますと、「見え過ぎ」もいかがなものかと。。。
レンズにより、開放・絞り込み、どちらが良いかは、結果を見ないと判断できませんね。
開放・絞り8.0で、それぞれ1/100~1/10 遅くなりました。
フィルムシュミレーションは、シャッタースピードも制御してますね。

ここで、今回の撮影で問題になっている「蛍光灯1」です。
桜色がやたら濃くなる、アレですよ。
ISO 200 開放 1/1700 +0.7EV です。

DSCF1046-開蛍光灯1

紹介前のアナウンス程、嫌味のある絵とは思えない。
十分にアリな絵です。
ホワホワな雰囲気が伝わってきます。

続いて、ISO 200 絞り8.0 1/200 +0.7EV です。

DSCF1047

ホワホワな雰囲気が隠れ、花身がごちゃごちゃ攻めてくる気がします。
沢山の花が付き過ぎかと。
それが、桜か。
大夫、シャッタースピードは遅いですね。
AWB + プロネガスタンダードと比較すると、1/200~1/20 遅いです。

最後に、フジには「蛍光灯2」というモードもあります。
へぇ。
もう、色調は、何でも用意してある、色のデパートやぁ。。。って、どれにしたら良いのやら。
ISO 200 開放 1/1700 +0.7EV です。

DSCF1048-開蛍光灯2


おおっ。
この色味は、AWB にほぼ、近いと思いますね。
このレンズでは、と、制限も付きますかね。
KOWA の時に、AWB より「蛍光灯」の方が良かった経験がありますのでね。
ここまで比較すると、「プロビア」かこの「蛍光灯2」かな。「AWB + Pro neg.std」の三つ巴状態なのですね。敢えて言うなら、「プロビア」がおススメかと。

ISO 200 絞り8.0 1/200 +0.7EV です。

DSCF1049

やはり、絞り込んだ絵まで込みで比較すると、「桜に蛍光灯1」はないな。


最後に、K-3 でのショットを。
K-3 に装着してあるM42 ➡ PK アダプターリングは、M42 独特のピン押しタイプではないものをセレクトしてあります。

DSCF1085


ピン押しタイプだと、ピンが引っ込む量と上手く合わず、噛んじゃうレンズがありましてね。1個イイレンズを潰しちゃいまして、トラウマです。
なので、A ⇔ Mスイッチのないレンズは、絞りが効きません。
RAYQUAL 製も所有してますがね。
RAYQUAL 製は、黒のつや消し仕様となっており、写真の中国製のクロームメッキ仕様など及ぶべくもない精度と、筒内の迷走光対策にも配慮されている「高級常識品」ですね。

ISO 200 開放 1/2000 +0.7EV です。

IMGP0003-K3で

濃いなぁ。。。
X-T1 のプロビア仕様を「濃く」したカンジがします。
なるほどねぇ。。。
流石、PENTAX K-3 。イイ色味をしてますね。
ドイツ製やらロシア製のレンズを使用したけりゃ、もってこいのカメラじゃないですかっ!

CP+ でCanon のように整理した売り方ができてなくても、カメラ自体に責任はなく、しっかりとした描写の、高性能カメラです。


DSCF1087




今回は、Zeiss のPancolar 。
好きなレンズの1つです。
正統派、ですかね。


DSCF2052



DSCF2053


師のレポートによると、1968年からの「前期型」として発売されたそうな。
距離環ローレットは、ゼブラ柄。フィルター枠は、ストレート形状。(初期型は2段構造)
光学系は、モノコーティング で、酸化トリウム不採用。絞り羽の枚数は、6枚だそうな。
1968年にモデルチェンジした「前期型」は光学系を再設計して、後群側の貼り合わせレンズ を分離させた5群6枚の拡張ダブルガウス型とのこと。

・・・酸化トリウムが採用されていないのは、ある意味、良かったです。
理由は、黄化しないからです。めんどくさいんですよね。ROKKOR みたいにUV 照射しないといけないのは、めんどくさい。
ただ、「キレ」に関しては、酸化トリウムレンズの方が、一歩、先んじています。その意味では、残念かと。

第93話で紹介したPancolar は、コレより古いんですよね。

 IMGP9233-Pancolar本番

このPancolar は、「グッタペルカ・バージョン」と呼ばれているレアもの。
製造番号は、8232751 。光学系は、Pancolar として最初期型の4群6枚ダブルガウス型。
酸化トリウム採用のレンズです。
今回取り上げているPancolar の製造番号は、8918060 ですので、間違いなし。古い。
師のレポートによれば、「グッタペルカ・バージョン」は、1959年製造とのこと。1959年製は3種類もの筐体デザインがあり、年代特定は難しいです。

IMGP9232-Pancolar本番

距離環のイボイボと被写界深度インジケーターが、このモデルの特徴ですね。
貴重です。

これら、Pancolar は、設計変更を受け、最終的にマルチコーティング化されました。
コレね。

DSCF6293-Pancolar


DSCF6295

段々と、近代化されてますな。
話を戻して、今回のゼブラものを。

室内撮影ですが、フィルムシュミレーションしてみました。
Pancolar なんでね。
違いが判るかな?

先ずは、オーソドックスなPROVIA から。
ISO 200 開放 1/52 ±0.0EV です。

DSCF2055-vel

普通に、色乗り良くしっかりとした描写です。

次に、Velvia。
ISO 400 絞り5.6 1/26 ±0.0EV です。

DSCF2056-pro

おおっ。
彩度が確実に上がってます。

次に、CLASSIC CHROME です。
ISO 400 絞り5.6 1/25 ±0.0EV です。

DSCF2058-claci

お茶、ありますよね。
渋茶、濃く入れすぎたお茶。
あんなカンジですね。
何がいいのか、判りません。
フィルムシュミレーションは、微妙にシャッタースピートも管理しているみたいですね。
1/26 とか1/25 とか、微妙に違ってます。

次に、PRO Neg.Hi です。
プロネガ・ハイって読みます。
ISO 400 開放 1/120 ±0.0EV です。

DSCF2060-pro.ne開

「プロ ネガ」モードは、スタジオ撮影にも対応する、ポートレートに適した「プロ用カラー ネガフィルム」モードだそうです。

PRO Neg.Std ➡ 柔らかな階調でキメの細かい肌色の描写。スタジオポートレート向き。
          PROVIA のカスタムバージョンか。
PRO Neg.Hi   ➡ メリハリ感のある階調で、やや鮮やかな色彩。ポートレート撮影のほか、コマーシャルフォトや建築写真などにも最適とのこと。Velvia のカスタムバージョンか。

このモードは、単にVelvia より「派手さがなく」てイイですね。チャラついてない。

更に、PRO Neg.Hi  ISO 400 絞り5.6 1/20 ±0.0EV です。

DSCF2059-pro.ne5.6

まあ、色味的には、「渋い」ですね。
単に、PROVIA の方が、「まぁ!フジの色。綺麗だわ。」ってなりますな。
PRO Neg std スタンダードってのも、ありますんで、今度トライしてみます。












第43話でも取り上げた、マルチコートのパンコラーですね。
私の所有物で、マルチコートものでは、最もお気に入りのレンズです。

どんな~

ISO 200 開放 1/60 -0.3EVです。

DSCF6118ーPancolar-開

Biometar と同じ条件です。
Biometar の方が若干、色味が濃いようですね。あれっ?流石か。

ISO 200 開放 1/220 -0.3EVです。

DSCF6120-Pancolar-開

この色味の濃さ、が、PANCOLAR たる所以です。

ISO 200 開放 1/450 ±0.0EVです。

DSCF6151-Pancolar-開

続いて、ISO 200 開放 1/750 -0.7EVです。

DSCF6152-Pancolar-開

-EV にすると、ぐっと色味が乗ってきて、コントラストも高くなりますね。
これ、いい絵だな。

ISO 200 絞り5.6 1/140 -0.7EVです。

DSCF6154-Pancolar-5.6

コレだ! これっ。
もう一歩で、フジの色かな。
・・・これも、フジの色かな。
いい絵です。

ISO 200 開放 1/1800 ±0.0EVです。

DSCF6240-Pancolar-開

おっ、開放からくるねぇ!
Zeiss の逆襲か?

ISO 200 絞り8.0 1/180 -0.7EVです。

DSCF6241-Pancolar-8.0

バンザーイ!!
猛烈、凄い!
Mepro-KOMINAR より、上品に描写してくれました。

ならば、もう一丁。
ISO 200 絞り8.0 1/180 -0.7EVです。

DSCF6242-Pancolar-8.0

うえっ。
バキバキだ!!
顎が外れた。胃袋が出た。。。
死にそう。。。

こんなに凄くなくて、良いよ。
ありがと。PANCOLAR。。。

DSCF6293-Pancolar


DSCF6295







今回は、第43話の先進的なMCのPancolarではなく、ちょっとオールドなPancolarです。
距離環のところが「革巻き風」になっていると、「グッタペルカ・バージョン」って言われるモノになりますが、このモデルは、ほぼ近いモノです。
グッタペルカって、ゴム状なんですけど、簡単に言うと、カメラ本体の「革」になっている黒い部分って言えば、判りやすいかもですね。


このレンズは、ヤフオクでゲットしたのですが、その時の説明が「絞り羽根の動きが悪い」程度の説明でした。
ところが、手元に来て、あれこれ確認してみますと、以下の不具合が確認できました。


・当初バラす前のチェックにて。
 (1) 絞り羽根の不動を確認。
 (2) マウント部内部スプリングがグチャグチャを確認。
 (3) 絞り環のクリック感が非常に弱いのを確認。
・また、バラした後に以下を確認。
 (4) 前玉固定環の完全固着を確認。
 (5) 絞り環のクリック用金属製ピンの板バネが潰れているのを確認。
 (6) 絞りユニット内回転機後部に不具合があるのを確認。
 (7) ヘリコイドのネジ込み位置が適正ではないのを確認。
 (8) 清掃時に各指標値が退色。

・(1)、(6) について:
 絞り羽根不動の原因は、酷い油染みもありますが、同時に絞りユニット内の絞り羽根開閉幅制御環 (ベアリング3個で回転する環/リング/輪っか) の機構部で使われている、非常に薄い真鍮環 (ベアリング3個を保持する役目) が、変形していたことが根本原因。
 また、同時に、過去のメンテナンス時に、その機構部の調整環 (リング/輪っか)を最後までキッチリ締め付けてしまったために変形したことも判明。 (ベアリング3個が均等に配置されているのを確認しつつ締め付けないとイケナイ)
 ベアリング3個の均等配置を確認しないまま、その機構部を固定する環を最後まで締め付けてしまったので、内部で薄い真鍮環が斜めに曲がってしまい、最終的に絞り羽根の駆動が一部 (f5.6までしか回らない) に制限されていました。


って、こんなカンジの「ボロ」でした。⤵⤵⤵


ヒドイものですね。素人の私でさえ、開けた瞬間、こりゃ、ヒドイ!前に開けたヒトも超ど素人だ⤵


折角の「幾千円」を捨てるわけにも行かず、いつもお世話になっている「千葉 柏市の先生」に手術をお願いしました。
まー、「ゴミ」状態だったPancolarをよくぞ、ここまで直していただき、「執念」を感じますね。
先生、ありがとうございました。

IMGP9233-Pancolar本番


それでは、ISO 400 開放 1/2000 -0.3EVから。

IMGP8655-Pancolar-本番


やはり、Tessarのようなバキバキ感はなく、自然で優しいカンジの写りですね。
だけど、しっかりとした解像度があります。
色調、色乗り、Bokehどれをとってもいい感じです。
Zeissって、やはりこの時代の製品のほうが、私的には好きですね。
後年のMCになりたての頃の製品は、コテコテを通り越して、「しつこい」ですからね。
日本人は、欧米系の化粧品が似合わないように、日本製のお化粧じゃないとね。ワザとらしいんだよ、ってか。

続いて、ISO 400 絞り56 1/100 -0.7EVです。

IMGP8664-Pancolar-5.6-0.7本番


絞りを3段しぼったら、EVも3段いったほうがいいみたいですね。
ちょっと、明るいかな。
でも、イイ感じです。

とても、あの「ボロ」とは思えません。
当初の資金も、これで有効に活用できます。
いいレンズです。Pancolar。。。流石、Zeiss。。。

IMGP9232-Pancolar本番


このレンズ、絞り環を動かすと、絞り環の前にカニの爪みたいに指標が動いて、被写界深度幅を表してくれます。
今は、0.9~0.95位ですか、被写界深度がある幅は。。。
手動式のカラクリ仕掛けのようです。
一番先の菱形の距離環ラバーが、「革状」の平っぽいものになっていると、「グッタペルカ・バージョン」ですね。



Zeissの50mm、標準サイズのLENSです。
今回は、マルチコーティングバージョンのPancolarです。
機会を見て、モノコーティングのPancolarも紹介しますので、お楽しみに。
Pancolarは、同じZeissの50mmで、Tessar 2.8/50もありますが、どうも、Tessarは「堅い」感じがしまして、「柔らかな」描写のPancolarの方が好きなんですね。なぜか。。。

IMGP8987-MC Pan


ISO 200 開放 1/3200 -1.0EVです。

IMGP0584-MC-Panco


おっ、中心部が「白い」!
このレンズ、ZeissのMCなのに「お化粧」をしていません。
とても、自然な色合いです。
素晴らしい、Zeissとは思えない。とにかく素晴らしい。
撮影している者でないと判らないのですが、ピント合わせも楽ちんなレンズで、それでいて、Zeiss各シリーズのように、十分な「Bokeh」を伴っています。表現力に長けています。・・・だから、Zeissファンって多いのかな。
こんな、カンジだったら、Made in JAPANじゃなくても、いいのかな。

では、ISO 200 絞り5.6 1/320 -1.0EVでは。。。

IMGP0585-MC-Panco-5.6


被写界深度が深くなった分、周りの花達も生き生きと表現していますね。
この位の絞り具合、好きだなぁ。。。
綺麗に、撮影者の意思を写し出してくれました。
この表現力は、TAKUMARとは方向性が違うか、単に卓越した表現力か、別世界の力を出している気がします。
Biometarより、好きですね。色味からして。

だけど、大型のLENSって、奥が深いんだよなぁ。。。
Zeiss同士の対決をしないといけませんね。
king of Zeiss ・・・誰がなるんだろう?

Tessarも、まだ十分に紹介してませんしね。

IMGP8989-MC Panco







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